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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

三人が着いた時には、堀の上にしつらえられた二つの足場に、百姓たちが二人ずつ立って、八本の綱でつるしたいびつな桶を巧みにあやつりながら、もう泥を汲みあげているところだった。堀の底にも泥まみれになった人が五六人居り、小桶で泥水を足場の方にかきよせていたが、おりおり鰻や鯰を揃えては岸に抛りあげていた。汲みあげられた畑の泥の中には、小鮒がぴちぴち動き、隅の方の泥のよどんだところには、もう田螺がそろそろと這い出していた。

「受籠の方はどうだったい。ちっとは這入ったかね。」

徹太郎がたずねると、堀底の一人が大声で答えた。

「鮒は少のうござんしたよ。その代り今年は鰻が豊作でな。」

「少々でいいが、早速わけてもらえないかね。町から小さいお客を二人つれて来たんだが。」

「ようがすとも。」

気持よくそう答えて、その男は大堀の出口に築いてある堰をこえて向う倒に姿を消した。

徹太郎たちが、岸をおりてその方に行くと、受籠はもう引きあげられて、その中には鮒がはね、鰻がぬるぬると動いていた。

三人は、次郎のさげていた魚籠に、いくらかの鮒と鰻をわけてもらって、すぐ帰った。

帰ると、徹太郎は、鮒だけをお祖母さんに渡し、鰻は蒲焼にするために自分で割きはじめた。