Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
本田の家での彼は、正木にいる時とはまるで様子がちがっていた。
彼はやはり月に一度ぐらいは、正木の老夫婦にすすめられて、町に訪ねていったが、もう、お祖母さんに対しても、少しも負けてはいなかった。彼はずけずけと口答えもするし、食べたいもののありかがわかると、勝手に自分でそれを引き出して来て食べもした。そのために、お祖母さんは俊亮の前で、「末恐ろしい子」だとか、「孫にまでこんなに馬鹿にされては、生きている甲斐がない」とか、やたらに大げさな言葉をつかって、泣いたり、わめいたりするのだったが、次郎はそんな時には、わざとのように自分から二人のまえに坐って、父に叱られるのを待っているようなふうを見せた。そして、俊亮がお祖母さんの手前、何か小言めいたことを言い出すと、次郎はすぐ、
「僕、恭ちゃんや俊ちゃんの真似をしては悪いの?」
と、いかにも皮肉な調子で問い返すのだった。
俊亮は、むろん次郎のそうした態度を心から憂えた。で、ある時、次郎だけをわざわざ散歩につれ出して、野道を歩きながら、しんみりと言いきかせたこともあった。しかし、次郎はその時も、変に真面目くさった顔をして答えた。