Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
「とにかく、さっそく本田を取調べてみて下さい。授業の方は、その間、私が代ってやっておきますから。」
校長にそう言われて、権田原先生は次郎をさがしに校庭に出てみた。しかし次郎の姿はどこにも見えなかった。時計を見ると、始業までには、あと三四分しかない。
先生は念のために校門を出てみた。すると、二丁ほど先の、小高い丘になった櫨林の中に、十四五名の児童がかたまって、何か話しあっているのが見えた。先生は、それを見ると、すぐ、大声をあげて、
「おおい。」と叫んだ。
児童たちは、一せいに先生の方を見た。それから、またお互いに顔を見合って、何か相談しているらしかったが、しばらくすると、その中の一人だけが、さっさと丘をおりて先生の方に近づいて来た。それは次郎だった。
ほかの児童たちは、いつまでも立ったまま次郎を見おくっていたが、先生がもう一度、「おおい」と叫ぶと、いかにも気が進まないかのように、しぶしぶと丘をおりはじめた。
権田原先生は、次郎が校門のところまで来ると、ほかの児童たちに頓着せず、彼一人だけをつれて、宿直室に入った。
やがて鐘が鳴り、授業がはじまって、校内は急にしずかになった。