Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

ことを、次から次に話していったが、次郎にとっては、たいていはもう覚えのないことだった。

「それでも、あたし、坊ちゃんがどんなにおいたをなすっても叱ったことなんて、一度もありませんでしたよ。お鶴の方がしょっちゅう叱られ役でしたわ。その代り、勘さんが、よく坊ちゃんを叱りましたわね。」

次郎は、そう言われて、すぐお鶴の頬ぺたのお玉杓子をつねった時のことを思い出した。そして、そのお鶴がこんなに大きくなって、お浜のすぐ向こう側に寝ているんだ、と思うと、何だかうそのような気がするのだった。

「でも、乳兄弟って、いいものですね。小さい時には、自分の乳をとられたうえ、いつもいじめられてばかりいたお鶴が、坊ちゃんからの手紙っていうと、そりゃ大さわぎで私に読んできかせるんですもの。ほんとの兄弟でも、なかなかそんなじゃありませんわね。」

お浜は、しみじみとした調子でそう言った。次郎は、お鶴の顔を闇の中で想像しながら、きょう学校の帰りにふと頭に浮かんだ「運命」という言葉を再び思い出して、深い気持になった。

お浜にとって、何よりも悲しい思い出は、何といっても、校舎の移転と同時に校番をやめなければならなくなったおりのことだった。