Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
父さんやお祖母さんまでが、いっしょに来るなんて……。でもあの時は恭ちゃんもうまくやったよ。」
「なあに、あんな工合になったのは、やっぱり次郎ちゃんの力さ。」
「そんなことないよ。」
次郎は、そうは答えながらも、何か誇らしい気持だった。
(自分は、もう、どんな運命にぶっつかっても、それを生かしてみせるんだ。)
そうした自信が、大巻の家に近づくに従って、彼の胸の底に次第に強まりはじめていたのである。
*
「次郎物語第二部」は、こうして、次郎にとってこれまでにない幸福な日曜日に、その結末を告げることになった。次郎の一見極めて不幸であった過去の「運命」は、今から考えると、むしろ、その幸福な日曜日の準備であったらしく思われる。彼の「愛」についての理解が、人に愛せられることから、人を愛することに一大飛躍をとげ、従ってまた彼の魂が「永遠」への門を、たしかに一つだけはくぐることが出来たのも、全く彼の過去の「運命」のおかげだった、と言わなければなるまい。
だが、次郎はまだようやく中学一年である。彼の「運命」の波はこれからまたどう高まって行くか知れたものでない。彼も恐らくそれを覚悟していることであろう。