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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

が、すぐわざとのように笑顔をつくって、

「まあ、お芳さんなんて、駄目よ、そんなふうに言っちゃあ。」

「どうして?」

「どうしてって、お祖母さんは何ともおっしゃらなかったの。」

「言ったよ。これからうちの人になるんだって。」

お延はちょっと考えてから、

「そう? いいわね。うちの人になっていただいて。」

「うちってどこ?」

「うちはうちさ。」

「ここのうち?」

「そうよ。」

「どうしてうちの人になるの。」

「さあ、どうしてだか、次郎ちゃんにわからない?」

お延は探るように次郎の眼を見た。

「うちの何になるの?」

「あたしのお姉さん。……あたしより年はおわかいのだけれど、お姉さんになっていただくの。」

お延の姉――亡くなった母――と、次郎の頭は敏捷に仂いた。もう何もかもはっきりした。彼は、しかし亡くなった母の代りに、いま座敷にいる「お芳さん」を「母さん」と呼ぶ気にはむろんなれなかった。

「じゃあ、僕、あの人を何て言えばいいの、やっぱり叔母さん?」

「そうね――」

と、お延はちょっと考えていたが、すぐ思い切ったように、

「叔母さんでもいけないわ。――ほんとはね、次郎ちゃん、あの方は次郎ちゃんのお母さんになっていただく方なの。