Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
「素直じゃから、かあっと気合をかけさえすれば、面がとれると思いこんで、一所懸命に打込んでまいりますのじゃ。」
「なるほど。」
「それで、うんと汗をかきましてな、それからいっしょに風呂に入りましたのじゃ。すると、次郎君、風呂小屋の中でも、ときどき思い出しては両手をふりあげて打込みの真似をする。相変らずかあっ、かあっと気合をかけましてな。」
「へえ――」
「そこをすかさず、わしが、小声でさんとあとをつけましたのじゃ、そのたんびに。」
「なるほど。」
俊亮は、しかし、まだちっとも、なるほどだという顔をしていない。
「次郎君も、最初のうちはそれに気がつかないでいたようじゃが、何度もやっているうちに、けげんそうな眼をしてわしの顔を見ましてな。それから、しばらく突っ立って何か考えるようなふうでいましたが、急に、ああそうか、と言って恥ずかしそうに横を向きましたわい。」
「いや、なるほど。」と、俊亮は笑いながら、
「それで、風呂を出たあと、うまく母さんと言いましたか。」
「いいや、なかなか言いません。そりゃあ、そう急に言うわけがありませんわい。わしも、そんなに急に言わせるつもりもありませんでしてな。