Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
「先生、僕、これまで、まちがっていたんです。僕、こんどはうちで恭ちゃんに教えてもらって、うんと勉強します。」
「うむ。……恭ちゃんって、君の兄さんだったね。」
「ええ、中学校の二年生です。僕と仲好なんです。」
「そりゃいいね。だが、試験間ぎわの勉強はかえってよくない。それよりか、気持を愉快にしていることだ。つまらんことで腹を立てたりしちゃいかんぞ。ひょっとして腹が立つことがあったら、すぐ合宿の方に遊びにやって来い。」
「はい。でも、僕、もう腹を立てません。」
次郎は、先生が自分のことをなにもかも知っていてくれるような気がして、うれしかった。で、彼は誓うように、はっきり答えたのである。
「そうか、うむ。……だが、君は、合宿に加われんぐらいなことで、こないだから腹を立てていたようだね。」
次郎は頭をかいた。先生は微笑しながらその様子を見ていたが、また急に真面目な顔になって、
「君を合宿に加えるのは何んでもないことさ。だが、それでは本田次郎は卑怯者になってしまう。先生は、君を卑怯者にしたくなかったんだ。正木のお祖父さんだって、先生と同じ考えにちがいない。……偉い人にはね、本田、嫌いな人間もなければ、嫌いな場所もないんだ。