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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

私は、あす一日あれば、一般のあいさつまわりは済ませるつもりだ。そのあとで、夕方の散歩がてら、ゆっくりおうかがいするのもかえっていいね。」

次郎は、きいていてうれしかった。また、先生夫妻の手さばきのいいのに感心もした。が、同時に、彼の頭に浮かんで来たのは学校の送別式のことだった。彼は先生夫妻をびっくりさせるほどの性急さでたずねた。

「すると、先生、学校の送別式はいつなんです。」

先生夫妻は顔を見合わせた。次郎は二人の眼つきから、直感的にある秘密を見て取ったような気がした。彼はいよいよせきこんだ調子になり、

「まだ学校からは何ともいって来ないんですか。」

「何ともいって来ないことはないさ。」

朝倉先生は考えぶかく答えて、眼をふせたが、すぐ笑顔になり、

「実は、私の方で、まだはっきりした返事を学校にしてないんだよ。」

「どうしてです。」

「いつがいいか、それがまだ私にもはっきりしないのでね。」

「でも、ほかの方へのごあいさつまわりは、もうきまっているんでしょう。」

「そうだ。それは早くすまして置く方がいいんだから。」

「学校の方はおそい方がいいんですか。」

「おそい方がいいというわけでもないが、なるだけうるさいことがないようにしたいと思ってね。