Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

名前の書き方にひどく大小があり、血判にも気味のわるいほどべっとりしたのや、あるかないかのちょっぴりしたのがあった。新賀は目をとおしながらときどき微笑した。そして、最後に默ってそれを重ねると、田上に渡した。田上は何かうなずきながらそれをうけとったが、あらたまったようにみんなの方をむいて言った。

「平尾君をのぞいて、校友会の委員全部がこの願書に署名したわけだが、これ以上に署名者をひろげる必要があるかどうか、ひろげるとすれば、五年だけにとどめるのか、或は四年以下にもひろげるのか、その点についてこれからみんなで相談したい。」

すると、馬田がまちかまえていたように、真先に発言した。

「そりゃ、むろん、全校にひろげなくてはうそだよ。朝倉先生の留任は八百学徒の総意だという意味が、その願書にも書いてあるんだから。」

しかしこれには誰も賛成するものがなかった。ある者は「それは実行不可能だ」と言い、ある者は「そんなことをしていたら、願書を出すのはいつになるかわからない」と言い、またある者は「それこそぶちこわしになるもとだ」と言った。しかしいろいろの反対論のなかで、何ということなしにみんなの心にひびいたのは大山の言葉だった。