Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
いいかげんな話をして、ただ気持ちを動揺させるだけでもつまらんからね。話すときには、ゆっくり時間をかけて話すほうがいいんだ。それに、恭一君からの電話だけでは、どこいらまでが確実だかもわからんし。……そうだ、さっそく田沼先生におたずねしてみよう。先生には、もっとくわしいことがわかっているにちがいない。すぐお宅に電話をかけてお出先をきいてくれたまえ。」
次郎はいそいで事務室に行ったが、まもなくもどって来て、
「田沼先生は、今朝早くお出かけになって、お行先は、わからないそうです。しかし、お出かけの時に、昼ごろまでには友愛塾に行くから、必要があったら、そのほうに連絡するように、とお言い残しだったそうです。」
「この雪に、ご自分でこちらにお出でになるのか。ふむ、そうか。」
二人は、いよいよ事件の重大さを直感したらしく、だまって眼を見あった。
「では、君は今日はなるだけ事務室か、君の室かにいて、電話に気をつけていてくれたまえ。」
次郎は、それで自室に引きとったが、机の上には、相変わらず「歎異抄」がひらかれたままだった。かれは、しかし、今はふしぎにそれに心をひかれなかった。