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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

「そこどころか、……幹部にまで不穏な奴があるんだから。」

小山が答えた。

「ふむむ、総工会のまわし者がもぐりこんどるかどうかは、なか/\吾々日本人にゃ分からんもんだ。用心しないと。」

「なに、そんなもぐりこみなら、囮を使やアすぐ分るさ。」

「ところが、此頃は、その囮に、又囮をつけなきゃあぶなくなっていますよ。」

「チェッ! 如何にも訳が分らねえや。」

小山はつゞけて咳をした。そこらへ痰を吐きちらした。

三人は事務室へ這入った。そこも燐や、硫黄や、塩酸加里などの影響を受けて、すべてが色褪せ、机の板は、もく目ともく目の間が腐蝕し、灰色に黝ずんでいた。

三円で払下げを受けた一挺の古鉄砲を、五十円で、何千挺か張宗昌に売りつけた仲間の一人の内川は、憂鬱で心配げな暗い顔をして二重硝子の窓の傍に陣取っていた。その顔は、この工場と同じように、規則正しくかたまって、乾き切っていた。これが支配人である。

「なんだ、あんたが来ると馬鹿に大蒜くさいや。」

内川はブッキラ棒に笑った。その笑い方までが乾燥していた。

「それゃありがたい。これで大蒜の匂いがすりゃ、支那人と一分も変りがないでしょう。