Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
鶩は、ぶさいくな水かきのある脚を、破れるばかりにかわして、ひょくひょくした。とうとう突き殺せなくて、靴で踏みつぶした。彼はホッとした。そして長い頸を垂れた鶩の脚を提げて立ちあがった。その時、巡察将校に見つかってしまった。
彼は、償勤兵となったことを、恥ずかしがりもしなければ、引けめに感じもしなかった。機械を使うのがすきだった。殊に、軽機関銃を使うのがすきだった。空砲射撃の時にでも、多くのよせて来る奴等を、この銃一ツで、雨が降り注ぐようにやッつけることを想像しながらタッタタタとやっていた。
すこし馬鹿な、まがぬけた彼の性質が、みなの人気をあおっていた。
一緒に、睾丸をふり出して検査を受け、一緒に薄暗い兵営に這入って赤飯を食った。一緒に銃の狙い方を習った。剣の着け方を習い、射撃のしかたを習った。その工藤が、御用船の中で片づけられていた。何故、片づけられたか、それは云わなくッても分っている! 甘いしるこがすきな男だった。眼は火のような男だった。それが殺されてしまった!
それは、兵士たちの血を狂暴なものにせずにはいなかった。壁のざらざらした、屋根がひくい、息づまる寄宿舎で、彼等は思い/\の考えにふけった。