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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

猪川の家は、石の重い、壁の厚い、支那式の家でありながら、壁に切りあけた窓と、四国の田舎にありそうな、石の築き塀などによって、すぐ支那人の住家とは見分けがついた。すゞも、俊も、母も、長い、フゴフゴとした支那服を見ると、そのポケットに、ピストルをしのばしている気がして、無気味だった。そして、誰かにすがりつき度いような、あこがれにも似た不安を感じた。

中津は、この家のあっさりとして、華やかな、日本娘の着物や、四国訛のある日本語や、若々しい鶏の胸肉のように軟らかい、ふるいつきたくなる娘の肉体を、視覚で享楽しながら、一家の不安に同感し、心配げな顔をしたり、また、特別、力になってやるようなことを云ったりした。

お仙は、中津が、朝飯を食い、昼飯を食い、晩飯を食い、夜おそくなるまでいて呉れるために、心細い財布をはたいて物惜みをしなかった。

俊は無邪気だった。

すゞは、ほかの第三者に対するように、こだわらない、馴れ/\しい態度で、中津に向おうとすると、気骨が折れた。何故か、顔が紅くほてった。中津が強盗、殺人、強姦などをやってきた、そして多くの人々から、恐るべき蝎として、嫌われ、おっかながられている。