Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
――青黒い支那兵営の中から四五人の白露兵が歩き出して来た。
「要不要?」
客を求める洋車の群が、どこからか、白露兵の周囲にまぶれついた。苦力のズボンの尻はフゴ/\していた。彼等は、自分だけさきに客を取ろうと口やかましく争った。
「要不要?」
ロシヤ人は、洋車の群に見むきもせず、長い脚でのしのしと歩いてきた。
彼等は、昔、本国から極東へ逃げ、シベリアから支那へ落ちのびて来た。着のみ着のまゝの彼等の服装は、もう着破って、バンド一条さえ残っていなかった。が、彼等は、金がなくても、どこからか、十年前の趣味に合致した服や外套を手に入れてきた。汚れた黒い毛皮のコサック帽も、革の長靴も、腰がだぶつき、膝がしまっている青鼠のズボンも、昔に変らぬものを、彼等は、はいていた。
頭も肩も、低い支那人から遙かに高く聳えていた。
「今月は、いくら月給を貰ったい?」
支那服の大褂児の男が、彼等と並んで歩き乍ら、話しかけていた。これは山崎である。
「一文も貰わねえや。」
「先月は、いくら貰ったい?」
「先月だって、一文も貰わねえや。」
「先々月は?」
「先々月だって一文も貰わねえや。」
「ひっぱたいたれ!」