Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Lesen Sie 沼夫人 (ぬまふじん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

十七

……奥座敷とは余り離れないから、犬の声を変がって、人でも出て来ると成程悪い。

が、何だか今の一言が妙に胸底へ響いて、時めいた、ために急に元気づいて、

(一奮発遣附けましょう。)

と勇が出た。」

十七

「その努力で、蘆の中だけは潜り抜けて、旧の方へ引返したが、もう、暗くなって、足許は分らないで、踏むほどの場所がざぶざぶする、じょろじょろ聞える、ざんざという。田だか畦だか覚束なく、目印ともなろうという、雑木や、川柳の生えた処は、川筋だから轟と鳴る、心細さといったら。

川筋さえ避けて通れば、用水に落込む事はなかったのだが、そうこうする内、ただその飛々の黒い影も見えなくなって、後は水田の暗夜になった。

時に……急ったせいか、私の方が真先に二度辷った、ドンと手を突いてね、はっと起上る、と一のめりに見事に這った。

(あれ、お危い。)

と云う人を、こっちが、

(お気を注けなさらないと、)

この通り、ト仕方で見せて、だらしなく起つ拍子に、あの人もずるりと足を取られた音で、あとは黙然、そら解がしたと見える、ぐい、ぐい帯を上げてるが陰気に聞えた。

気が付いて、

(穿物を持って上げましょう、)