Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
だが、地方の人々が農科大学の分析に信頼されようとする気持ももっともである。よろしい、早速分析をしてあげよう」
早川は更に膝をすすめて、
「その報告をいただけば、それぞれ地方の有志に見せなくてはなりません。先生は報告の責任を負われることになりますが」
「もちろん、分析を引受ける以上はその覚悟である」
その然諾に早川はおおいに力を得て帰郷した。そして同志とともに一日千秋の思いでその報告を待った。
一方、長祐之は桐生、大間々を経て、渡良瀬川に添って溯ること十数里、三日に足尾に到着した。途中上州花輪のあたりへ来ると、渓流の水の色がすでに変っていた。足尾の町家をすぎ、やや上流の渡良瀬部落へきて合流点に立ったとき、彼は思わず足をすくめてその水流に見入った。細尾峠から神子内を経て流れてくる沢は清冽であるのに、松ノ木沢の一流はその色が粘土と石灰をかき混ぜたように濁っていた。両者の別は截然たるものである。鉱毒の有無を水の色に見たと痛感せざるを得なかった。翌日はその渓流ぞいに赤倉の製煉所へ行って、焼鉱炉や高炉の数箇の煙筒が、濛々と無気味な煙を吐いて日の光りを遮ぎるのを見た。