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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme

Aozora Bunko

第三章

孤立無援に陥り、しかも万策つきた与八はせめて苦衷を正造に訴えんものと、その顛末を書面にしたためて送った。すると折りかえし返信があった。

拝復、君が孤軍奮闘あくまで其の主張を貫かんとする意気を非常に嬉しく存候。其の事たるや何も僅かばかりの租税免除の問題に止らず、之れ実に官憲の者共をして鉱毒被害の事実を認めしむる有力なる一方法に御座候。而して君一人の主張はやがて鉱毒事件の解決上、一大有力なる理由とも相成申可候に付、徹頭徹尾其の主張を貫かれ度候云々。

与八は早速それを実兄にも福田にも見せて元気づけた。

第三章

沿岸被害地の有志たちが雲竜寺で契盟を交して以来、正造もまた東奔西走文字通り席の温まる暇もなかった。ようやく動きだした鉱毒停止請願の気運は、この機を外さず一気に盛り上げて、被害民全体の声にまで凝結せねばならない。正造はその目標にむかって驀進の勢をみせて狂奔した。しかしいかに何万何十万人の署名をとって請願しようとも、尋常一様で政府が屈服するとも思えなかった。被害地の声をたかめると同時に、それと相応じて東京をはじめ全国各地の有識者に呼びかけ、世の同情を掻きたてて、輿論の力を借りねばならぬ。