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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme

Aozora Bunko

そうした際で、島田の用談も無論裁判に関していたが、島田はかねての心痛を口に出して、健康をたずねた。正造が寝食を忘れて狂奔していることは知っていたが、顔の浮腫や肌に生気のないのは、疲労のせいばかりと思えなかったからである。

「格別どうということもないが、朝から晩までいろいろの人と会って休む暇もないので、例の通り脳が悪くなって困ります。そのくせ夜更けていざ寝ようとなると、脳が冴えてなかなか寝就かれない。この頃は夜半に酒を飲んで、酒の力で寝るようにしているが……」

正造が何気なく答えると、島田は例の生真面目さから突込んできた。

「それはよろしくない。そんなことをしていたら、酒のためにからだを毀してしまう。あなたはいま、この事件について大勢の利害を一身に背負っている中心人物ではないか。その根幹たるあなたが、自分の慾望に勝てないようなことでは仕方がない。酒は断然おやめなさい」

「いや、からだは問題ではないです。いま私は、脳が悪くて困るとか、寝られないで困るとかいったが、それはただ私事で、自分のからだなどもとより憎むところでない」

正造は、三角の瞼のなかを異様な光におののかせた。