Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
北海道の鉄道と炭鉱の払下げ問題も今度は痛烈にやられたようですね」
といわれて、正造は苦虫をかみつぶしたような顔をしつつ、
「いったい、議会の開ける前は、収賄のことなどは誰しもみなこれを恥とした。それが今や誰も珍ともしなくなった。政府の不正も、もはや世人の耳に慣れっこになってしまったのだ」
「世のなかが文明になって、かえって堕落して来たのでしょうかね」
「例えば病気がふえたのと同じことです。医学の進歩によって病原を発見するのか、病原が増したか、どちらか知らんが、しかし病気の種類が多くなったからといって、病人を捨てておくわけにはゆかない」
村山は正造の顔を見つめつつ何度もうなずき、
「あなたの議会の演説に、北海道は盗賊の棲家だという言葉があったが、まだ病人なら医者にかければ癒しもできるが、盗賊が増えたのでは始末がわるい」
「私のしばしばの鉱毒の質問も泥田に棒を打つ如しだ。泥田にいくら棒を打っても跡かたないのと同じで、すこしも明瞭にならず判然ともしない。これこそ本当の泥棒だ。どこもかしこも泥棒の世の中だ」
言葉は冗談に類しているが、その声には慨歎の切々たる心情がひびきでていた。