Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
「鉱毒といえば、横尾君らの仲裁会のことは御存じですか」
「こんどこちらへ帰ってはじめて知った」
正造は吐きだすようにいって憤懣にたえぬ面持だった。
「そうですか、相談も挨拶もなしですか。もっともなが年の同志を裏切るのに連中がいくら厚顔でも相談はできなかったのかもしれない」
「心の底まで鉱毒がまわって、銅臭芬々たる奴らのことはどうでもいい。だが、放っておいては被害地の人民が可哀そうだ。彼等は無知で愚昧なために、いいように籠絡されてしまいそうだ。いや、もうだいぶ瞞されてしまった様子だ。その証拠に、村々の知り合いの家を訪ねても私に対する態度がすっかり変ってしまった。隠しだてしている様子がありあり顔色に見える。私の顔をまともに見られない。突込んで聞こうとすると用事にかこつけて逃げ隠れてしまう。ろこつに私を邪魔もの扱いにするのもいる」
「まことに、あてにならぬのは人間の心です」
「銅山党の奴らの陰謀はたくみにたくらんだものだ。然し今度は図にあたるかも知れない。まず被害民たちに鉱毒を云々しないように目くされ金で猿ぐつわをはめ、やがて彼等の口から私の誹謗を放たせ、私にも猿ぐつわをはめようとかかるにちがいない」