Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
『火星兵団』を作れといっても、作れるわけのものじゃないし、ねえおとうさん、心配しないでいいよ」
「そうかい。そんならいいが……」
と、父親も、やっと安心の色を見せた。
だが、世の中は一寸先は闇である。思いがけないどんなことが、一寸先に、時間の来るのを待っているかも知れない。千二も父親も、まさかその夜のうちに、もう一度「火星兵団」のことを、深刻に思い出さねばならぬような大珍事に会おうとは、気がつかない。
その夜ふけに、千二は釣の道具を手にして、ただひとり家を出かけた。湖には、たいへんおいしい鰻がいる。千二は、その鰻をとるために出かけたのだった。
出かけるときに、柱時計は、もう十二時をまわっていた。
外は、まっくらだった。星一つ見えない闇夜だった。
だが、風は全くない。鰻をとるのには、もってこいの天候だった。
千二は、小さい懐中電灯で、道をてらしながら、湖の方へあるいていった。
「なんという暗い晩だろう。鼻をつままれてもわからない闇夜というのは、今夜のことだ」
でも、湖に近づくと、どういうわけか、水面がぼんやりと白く光ってみえた。
「こんな暗い晩には、きっとうんと獲物があるぞ。