Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
52 矢ヶ島天文台
「それは大丈夫だ。あと三日あればいいのだ。じゃ、あとを頼んでおくよ」
「ああ博士、どこへ行かれるのですか」
博士は、それには答えず、出て行った。
52 矢ヶ島天文台
日毎夜毎に、モロー彗星のすがたは怪しさを加えていった。
今では、彗星の大きさは月をはるかにしのいでしまった。空を見上げると、まるで大きな光る飛行船を天に張りつけたようであった。
モロー彗星の距離は、地球から月までの距離の何十倍ぐらいかのところまで近づいたのであった。あのすばらしい速さでもって、モロー彗星は間もなく月の側を通り越し、地球の正面へどうんとぶっつかるはずだった。
人々は、もう殆ど全部が、おかしくなってしまった。もうあと七日足らずの生命だというので、変な遊びに熱中しているあさましい人間が町にあふれていた。そうかと思うと、中にはせっせと働いている者もあった。庭に一生けんめいに朝顔の種をまいている者があったり、町から投売の安い品物を買って来て、一生けんめいに納屋へしまいこんでいる者もあった。彼らはたいへん落着いて働いているようでありながら、その実は、やっぱりおかしくなっていたのだ。なぜと言って、朝顔の種をまいてみても、その花が咲くのは夏時分になる。