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Japanische Klassiker mit Furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme

Aozora Bunko

46 彗星対策

モロー彗星の位置は、南東の地平線に近い空であった。太陽が西に沈んで、あたりがほのかに暗くなると、うっすりと青白い光の尾をひいたこの妖星は、急にかがやき始める。

日が暮れかかると、誰も彼も言い合わせたように南東の空に首を向けた。家々の窓には家族中の顔がならび、道行く人は立ちどまり、あっちに一かたまり、こっちに一かたまりと、不安な面をそろえる。

モロー彗星は、そういう地球の上の騒ぎを知ってか知らないでか、絵にかいたようにしずかに、低い空にかかっているのであった。無言の威圧だ。

「あれが、モロー彗星ですか」

「そうですよ。今にあれがどんどん大きくなって、月よりも大きくなるそうです」

「もしもし、月よりも大きくなるどころじゃありませんよ。彗星は自分で光っているんですから、太陽よりも明かるくなりますよ」

「ほんとうですか。あれは自分で光っているんですか」

「そうですとも。今に空いっぱいに彗星がひろがりますよ」

「ええっ、何ですって」

「つまり、空というものが見えなくなってしまうのです」

「えっ、よくわかりませんなあ」

「さあ、どう言ったらいいか。つまりですな、空が見えなくなって、その代り彗星の表面ばかりが見えるようになるでしょう。