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Japanische Klassiker mit Furigana

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てりはきょうげん

照葉狂言

泉 鏡花

Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme

Aozora Bunko

誰が飼いはじめしともなく古くより持ち伝えたるなり。近隣の人は皆年久しく住みたれど、そこのみはしばしば家主かわりぬ。さればわれその女房とはまだ新らしき馴染なれど、池なる小魚とは久しき交情なりき。

「小母さん小母さん」

この時髪や洗いけん。障子の透間より差覗けば、膚白く肩に手拭を懸けたるが、奥の柱に凭りかかれり。

「金魚は、あの内に居るかい。」

「居ますとも、なぜ今朝ッからいらっしゃらないッて、待ってるわ、貢さん。」

「そう。」

「あら、そう、じゃアありません、お入りなさいよ、ちょいと。」

「だって開かないもの、この戸は重いねえ。」

手を空ざまに、我が丈より高き戸の引手を押せば、がたがたと音したるが、急にずらりと開く。婦人は上框に立ちたるまま、腕を延べたる半身、斜に狭き沓脱の上に蔽われかかれる。その袖の下を掻潜りて、衝と摺抜けつつ、池ある方に走り行くをはたはたと追いかけて、後より抱き留め、

「なぜそうですよ。金魚ばかりせッついて、この児は。私ともお遊びッてば、厭かい。」

と微笑みたり。

「うむ。」

「うむ、じゃアありません。そんなことをお言いだと私ゃ金魚を怨みますよ。