Japanische Klassiker mit Furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme
二
内の父様なんかな、能も演るぜ。む、謡も唄わあ。そうして上手なんだ。そうしてそういってるんだ。ほんとのな、お能というのは男がするもんだ。男の能はほんとうの能だけれど、女のは乞食だ。そんなものが敷いて寄越した蒲団に乗るとな、汚れるぜ。身が汚れらあ。しちりけっぱいだ、退け!」
踏みこたえて、
「何をする。」
「何でえ、おりゃ士族だぜ。退け!」
二
国麿は擬勢を示して、
「汝平民じゃあないか、平民の癖に、何だ。」
「平民だって可いや。」
「ふむ、豪勢なことを言わあ。平民も平民、汝の内ゃ芸妓屋じゃあないか。芸妓も乞食も同一だい。だから乞食の蒲団になんか坐るんだ。」
われは恥かしからざりき。娼家の児よと言わるるごとに、不断は面を背けたれど、こういわれしこの時のみ、われは恥しと思わざりき。見よ、見よ、一たび舞台に立たむか。小親が軽き身の働、躍れば地に褄を着けず、舞の袖の飜るは、宙に羽衣懸ると見ゆ。長刀かつぎてゆらりと出づれば、手に抗つ敵の有りとも見えず。足拍子踏んで大手を拡げ、颯と退いて、衝と進む、疾きこと電のごとき時あり、見物は喝采しき。軽きこと鵞毛のごとき時あり、見物は喝采しき。