Japanische Klassiker mit Furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme
五
可いかい。ちょいとでもお前さんに甘えさしてもらいさえすりゃ、あとはどうなったって、構うものか。したいようにするが可いや。もうもう、取越苦労なんざしないでおこうね。」
「ああ。」
「極めた!」
急に坐り直して、
「あら、もう火が消えたよ。」
小親はいそいそ灰のなか掻探して、煙管取って上げたるが、ふと瞳を定めて、室の隅、二ところ見廻したり。
「おや! 鳩はどうしたろう。」
われもまた心着きぬ。さきに一たび姉上のことを思い断たむとしたりし折、広岡の家に悲しき叫び聞えしは、確に忘れず、その人なりし。われわれとおなじにかの猫の鳩くわえしを見たまいしならむとのみ、仮りに思い棄てたれど、あるいはさもなくて、何等かの憂目に合わせたまうならずや。酷き養子のありといえば。また更に胸の安からず。
五
小親はなお頻りにあたりを見廻して、
「変だよ、ちょいとお前さんも見たろうね、何だか私ゃ茫然してたが、たしかあの猫が鳩をくわえて飛込んだっけね。変な気がするよ、つい今しがたの事だった。」
「ああ、私はまた、またいうと何だろうけれど、お雪さんの(あれッ)てった声が聞えたようでね。」
「気のせいだよ、そりゃ気のせいだろうけれど、はてな、一体どこから飛込んだろうね。