Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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てりはきょうげん

照葉狂言

泉 鏡花

Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme

Aozora Bunko

三

もう疑うことはない。姉様はこの中に埋れられたな、と思いながら、姉さん、姉さん、と地に口をつけて呼んでみても返事がないから、はッと思って、泣伏して、耳をこう。」

言いかけて婦人は頭を傾け、顔を斜に眼を瞑りて手をその耳にあてたるが、「ね。」とばかり笑顔寂しく、うっとり眼を開きてわが顔をば見し。戸外には風の音、さらさらと、我家なるかの楓の葉を鳴して、町のはずれに吹き通る、四角あたり夕戸出の油売る声遥なり。

三

一しきり窓あかるく、白き埃見えたるが、早ものに紛れてくらくなりぬ。寂しくなりたれば、近寄りて婦人の膝に片手突きぬ。彼方も寒くなりけむ、肌を入れつ。片袖を掛けてわが背を抱きて蔽いながら、顔さし覗く状して、なお粛かにぞ語れる。

「そうすると、深い深い、下の方で、幽に、姉の阿銀がね、貢さん、(ああい。)てッて返事をしましたとさ。

それからまた精一杯な声で、姉さん姉さんッて呼んだの。そうすると、ああ、もう水が出て、足の裏が冷たくッて冷たくッて、と姉さんがお言いだとね。土を掘ったのだもの、水が出ますわ。

どうぞして、上の石を退けて出してあげようとおしだけれど、大きな男が幾人もかかって据えたものを、どうして小銀の手に合うものかね。