Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
而も、愛は真に活かされるために、常にそういう力を必要としているのです。親子にしろ、夫婦にしろ、友にしろ、広い人間の諸関係で。私も切にそういう力を育てたいと思う。私のそういう力は皆無ではないが、まだ未成熟で、所謂女らしい配慮のゆきとどく範囲から大して遠く出ていないと自分で思われます。御意見はいかがですか? 私は、自分が女であることに些も不平はないから、女らしい配慮、こまやかな輝やかしく愉しい日常性と共に、そういう推進力を確りもちたいと思う。頼りになるところを増したいと思う。これは、天賦の知恵にも負うところが多いから、果して自分がどの位そういうつやをもって生れているかしらとも考える。
これらは総てたのしい思索です。おみやげの饅頭が腐るとか、くさらないとかさわいでいる間に、私の心の中でこれらのことが動いて、そして貴方に話しかけている。そして、手紙をかきたい書きたい心持になる。雨の音の中で手がつめたいでしょう? そう云いながら書いている。秋でもなし、まだ初冬とも云えない。こういう雨の日は何というかしら、一寸向き合って坐っている膝の上にものをかけたいようですね。