Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
四月二十三日
三笠のは配本を中絶したので大変おそくなってしまいましたが、古いのお送りいたします。
今六時がうつのに、まだ明るい。
この手紙はまとまりのわるいようなものになりましたが、まだすこし気が立ったところがあるので、あしからず。そちらからはなかなか来ないこと。それだのに九日間かかず、それを知っていて、却ってごたごたやっている間に又のめのめ書くということが出来なかったのです。こういう心持も貴方はよくわかって下さると信じます。では又御機嫌よく
四月二十三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
四月二十三日 第二十信
きょうは小雨が降っている。静かな明るい雨。いろいろな緑の色が雨に映っているような雨です。
きのうは、外へ出て広い空地の方へ行ったら小さい雨粒が一つポツリと額に当って、降らないうちにと大いそぎで、黄色い鼻緒の草履で歩いた。それでも家へついても大丈夫だったけれども。
昨夜は、本当に楽々としていい心持で眠りました。そちらはいかがでした? あの小さいところが開いて、そこから溢れて私をつつんだ心持が、私の心と体とにずっと今ものこっていて、何とも云えず安らかないい心持です。