Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
九月十五日
本質というものはさながら実在しないように扱われている。だからリアリティーとは云いかねること。これが芸術上一般の通念となるために歴史はえらく揉みとおされるわけなのでしょう。芸術家にとって日常生活のリアリズムの深化のかくべからざる所以はいかに深く遠いかと思う。それについて最近一つ勉強したことがあり。いずれ別にお目にかけます。志賀直哉の「暗夜行路」後篇についてです。「二人の婦人」はオハナシね。壺井さんの「大根の葉」(文芸)好評で、稲子さんも私も鼻が高うございます。
九月十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
九月十五日 第五十信
万歳! 万歳! いかにもうれしくて、明日の朝お話出来るときまで待たれない。糖はちっともありません。ちっともありませんよ、と調べたのを却って不思議そうに慶応の医者が云いました。糖が出ていやしまいかということは、どんなにかいやだった。菌が活動中というのよりいやだった。糖尿というのは、いやな、こわい病気ですよ、頭がメキメキと駄目になる病です。逆に、過労(脳の)からもかかる。記憶力はなくなる、根気はなくなる、文学的な本気の仕事は殆ど不可能になる(非常によく直さないと)私はこれ迄一番いやなのは気違い、それから糖尿。