Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme

Aozora Bunko

十月十七日

〔欄外に〕

○今一騒動して来たところ。何しろ退屈らしいからレビューをおきかせしようとしたところ、第一放送をいくらきいてもヴェートーヴェンの第八をやっている。きのうからか、波調をかえた由。やっと今フルエ声をおきかせしている。

十月十七日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

十月十七日  第六十一信

きょうはお天気になってようございましたこと。きのうのような雨ではすこし困りました。今年は本当に珍しい御誕生日です。小母さまたちは母子水入らずで、いかにも嬉しそうに十時すぎお出かけ。Tちゃんが夏仕度なので壺井さんへ使をやって袷をかりて着せて。入れちがいに、甲府の方の人がよって、立派な黒っぽい葡萄を二房くれました。それを、父の持っていたので私がもって来ているノルウェイ辺の木の盆に入れて茶箪笥のところへ飾りました。その人が築地を見るため十一時すぎかえったので、私はサアお久さん花を買って来るよと足袋をはき更えて、市場へゆき、すこし紫がかった中輪のと、白の中輪のとを買ってかえり、白い方は机の上。色のある方は茶の間に。茶の間の正面、私の座る場所の右手の三尺の壁には、『冬を越す蕾』