Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
十月三十一日夜
初めて手紙を書くようになってから今日まで、恐らく私の書くことの内容、色彩、随分変って来ていることでしょう。様々の高低、様々の揺れ、そして様々の玉石混淆をもって。或ときは空語と知らない空語をも交えつつ。
さっぱりとして、無駄なく、而もよろこびとユーモアとの漲った生活が、照りかえすような手紙が書けるようになりたいこと。そのような強固な悠々さを身につけたいこと。それらを、自分の芸術の新しい美としたいと思います。
本のこと、前の分と一緒に調べて、ないなら改めて注文しましょう。就寝、起床、計温、二十三日からちゃんとやりはじめたから、月末、一まとめにして表にします。
ユリの勉強を祝福しつつ、ポンポコどてらを召して下さい。
十月三十一日夜 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十月三十一日 第六十八信
ああひどく曇ってすこし落ちて来た。いそいで帰って来てよかったこと。きょうは朝ラジオで俄雨アリと云ったので、コートを着てつま皮のかかった足駄をはいて出たら、あつくてあつくて。気持わるくて歩いていられないようなので、一旦家へかえって、コートをぬいで、下着をうすくして、それから三省堂、東京堂、丸善、本店をまわって今かえったところ。