Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
十二月二十一日
私たちから栄さん夫妻に上げるのは、茶呑茶碗一組(二つ)です。いいでしょう? 戸塚は例年子供が主で、今年は健ちゃん英語がよめるから何かやさしい文句のついた外国の本をやります。どんなに大人になった気がするでしょうね。智慧のひろさのよろこびがどんなに新鮮でしょう! 『図書』の西田幾多郎の文章、偉いと云われる半面のああいう稚さ。西田さんには私のような皮むきがないから。可哀そうに。(笑話よ)ではお大切に。今年かぜをお引きにならなければ黄金のメタルものです。
十二月二十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
きょうは思いがけず昨夜の夜なかから盲腸が痛み出して、さっき慶応のお医者に見て貰ったらこのままにしておいてはあぶない由です。やむを得ず入院いたします。そして西野先生や何かにもう一遍見て貰って切る方がよいときまれば、いつぞやお話したことのあるモテギ先生に手術願います。国男のをやって頂いたからきっと一族共通であるという盲腸の癖もわかっているでしょうから。勿論こんなくされものを持っていない方がよいのですが、手術はこわいと思います。でも手おくれは猶こわいから、マア仕方がない。