Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme

Aozora Bunko

たとえば一つの大づかみの創作の理論と方向とは何人かに共通なものとしてあるわけですが(今日でも)そのなかで、チェホフの所謂自分の線というものを、持味という範囲より高めて文学史的見地から描き出してゆくものは、なかなかないわね。

私はこの文学史的見地での自身の線がほしいと思うことがこの頃、自覚されて来た希望です。ねえ、面白いでしょう。若々しい向う見ずで仕事に熱中する時代からある段階を経て、真に仕事そのもののための情熱で仕事にうちはまってゆく時代が再び来るというのは、面白いわねえ。刻苦ということがわかって来る時代、一つのアスピレーションではなく刻苦ということが仕事の上でわかって、おのずから楽しみとなる時代。

私は早く完成の形をとる人間ではないから、えっちらおっちらね。

この間、津田青楓の六十一歳の還暦祝があってよばれて行って、洋画の大家たちというもとを近くから見ましたが、文学の人とちがうものですね、洋画でああなら日本画がどの位鼻もちならないものかとびっくりしました。画かきは直接社交的買い手と接触する、安井さんのような肖像画家は名士とばかりつき合うから、何だか大した先生になってしまうのね。