Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme
八月二十日
体じゅうに暑さと何かが射しとおしたようなくたびれ工合でかえりました。冨美子はやっぱりくたびれたと見えて、心地よさそうにひる寝しています。冨美子は白アンがきらいだそうです。それからあっちでは枝豆だのどじょうたべないのね。枝豆やどじょうを、人間のたべない下等なもののような表情で多賀子が見たり云ったりするのを私が、そんな女くさいと笑い半分本気半分で叱ったりして夕飯すませたわけでした。この手紙はこれでおしまい。長篇の一節の筋がきめいたこの手紙。おもしろいところのある手紙、ね。
八月二十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(「松花江の鵜飼」の絵はがき)〕
八月二十日。こういう鵜飼いの風景もあるのね。きょう、徳さんがスミさんにことづけて、真鍮に七宝の模様の入った支那の切手入れをくれました。スミさんは茉莉花の入った支那茶をくれました。切手入れは小さいけれども、どっしりとしていいボリュームがあってなかなか気に入りました。呉々もよろしくとのこと。きょうは少々仕事しました。カメラがいいからもっと大きく見たいことね。
八月二十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕