Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme
十月十二日
いずれお話いたしますが。いっそ、寿江子つれて国府津へ行って二三日(十七日を中心にして)いて来ようかとも思ったりして居ります。てっちゃんが招待してくれると云っているのですが、何だかすこしちぐはぐな気もするので。いずれおめにかかりまして。
あした夜着もってゆきます。肩当ての布がいいのが(丈夫なのが)なくて、今、台所で染物工場がはじまって居ります。袷羽織、メリンス襦袢お送りいたしました。
ああ仕様がないわ、一筆なんて、こんなに時間かけて。木犀の花の匂りいくらかのこって居りましたか? もうあれも萩もちりました。これから菊でも植えましょう。犬考えたのよ、でも税のこと考えると。今年の所得を来年何しろ払うのですもの、その来年やいかに、でしょう? だから。
十月十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十月十二日 第六十九信
きょうは大笑いなおみやげだったでしょう? ゆうべきゅうにその話になりました。あなたの御誕生日のおよろこびに何かしてあげたい、じゃ本もの見て貰いましょうか。それですこし日が早すぎたけれど、何しろ赤ちゃんというものは、いろんな都合があってね、雨ふればダメ、風ふけばダメ、くしゃみが少しつづけて出ればダメ故、善はいそげというわけでした。