Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

一月十二日

という小説で。

一月十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

一月十一日  第三信

今この二階へ斜かいに午後の陽が一杯さし込んでいて、家じゅう実にしずかでいい心持。

お恭は、一時二十分の準急で立つのですが、十二時に家を出てそれでもういくらかおそめです。この頃の汽車は、出発前十分に駅にゆくなどという昔のハイカラーなのりかたは夢で、上野なんか西郷の銅像のあたりまでとぐろをまきました、それは暮だけれど、今日はどうでしたろうか。小さいトランクにふろしき包み一つ。コート着て、赤い中歯の下駄はいて。顔を剃ってかえりました。

きのう迄寿江子がいて、二階狭いから私はベッド下へ布団しいて臥て、何だか落付かなかったので、昨夜はいい心持でいい心持で、久しぶりにベッドの中で休まりました。寿江子神経質ね、毛布なんかに虫よけが入れてある、その匂いでゼンソクおこすのよ、ですから戸棚にしまってある布団にはねかされないの。ひどいものでしょう。それにカゼ引いていたし優待してやったの。

見事なお年玉いただいたしこれで私のお正月になりました。

お年玉といえばね、きのう本当に珍しいボンボンをたべました。