Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
十一月七日
今にも出かけてそちらへゆきそうなのを、こうして机のところにいる心持。結局早くあしたにならなくては駄目だわ。
ではあした。ちょっと、こんなのがこの頁にあるわ、「野苺の願」。私を啄んで頂戴な、そこを。それから、ここを。ええ、ええ。そしてね、ここも。苺は胸のきれいな鳥に云っているのですって。
十一月七日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
十一月七日 第四十九信
本当は仕事しなければいけないのに、これをかかずにはいられないという仕儀にたち到りました。
お手紙ありがとう。ところで今大いに駭いて、わざわざ下までけさの新聞を見直しにゆきました。だってね、このお手紙は六日午後に出ているのよ。これ迄の例では最も早くてなか一日か二日だから、はっとして、さてはアンポンきょうは土曜日かと駭然といたしました。やっぱりきょうは金曜よ。そしてみると、この手紙は稀しくも市内の速度で来たというわけになります。
そうよ、二十日以上です。格別それでどうと思ってもいなかったのだけれども、こうして来てみると、何をおいても先ずこの仕事にうち向うところをみれば、うれしいのね。やっぱりほしいのね。