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Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

それから、夏の篇の驟雨。あれも見事ね。さし交した樹々の枝は愈※(二の字点、1-2-22)深くかげを絡ませながら、揺れ、そよぎ、根から梢まで震動をつたえつつ、葉と葉とからしたたりおちる雨粒が、下の泉の面にころがり、珠と結び、その珠のつながりは忽ち泉のふきあげるしぶきにまじって、紅の罌粟の花弁をひたしながら溢れる様子。すがすがしい丘の上に、が淡彩であるなら、これはたっぷりとして油の香りも濃い絵ですね。こういう風景画なら、風景画でもただものではないわけですが。私はあの驟雨を読むと、自然の旺溢の美しさを身にしみます。葉のさわめき、つたわる雨粒の丸い柔い変化の多い音。枝のきしみ合う風に交った音。

でも、夏は又面白い題材も多いものと見えます。

「無邪気なウォタ・シュート」というの覚えていらっしゃるでしょう。あれには、心持のいい插画がついていたわ、かーっと晴れた夏の午後、公園の大池のウォタ・シュートの尖り屋根。その屋根は赤と白とでお祭の時らしくぬられていて、元気のいい男の子が、いくらか風変りな曲線をつけられたところを、池に向って小さいボートにのって、辷る、辷る、と笑って叫びながら辷って行っては水のしぶきをあげている様子。