Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
すべてがよ。ほろがやのなかに、くびれて丸々した手をのばして大の字になって立派な顔つきして眠っているのや、おばあちゃんや私にあやされて、キキと笑う顔つきや。とにかく大したものよ。傑作よ。この子は技術家にするのだそうです。いいでしょう。偉い役人という希望のもとに育てられなければ、幸福というものです。
髪の短いの、そうでしょうねえ。涼しいと云ったってじっとりいたしますもの。私は昨夜南の窓をあけて眠って、こんな夢を見たわ。林町の家の前へ出る交番の横の坂をのぼって行って、ひょいと交番のよこからむこうを見たら家のあったあたり一面すっかり水なの。満々たる青い水で、こっちの通りだけはいつものとおりで家のあとかたもない水の面をおまわりさんは白服でぼんやり見ているの。私は驚きと悲しさとで体が立っていられないようになりながら、じゃお父様もお母様もどうしただろう、死んでしまったんだろうと思うの。水の色は何と碧く、その水の面は何とひろかったでしょう。珍しいわ、こんな夢。
きっと室積で余り海を眺めていたからよ。それとうすら寒いのとが一緒くたになったのね。私の夢、いつも複合体で、色つきで、いろいろと手がこんで居りますね。