Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
クンクンになって、あの美味しくとけるようなボンボンをたべたいと思います。
あんなボンボン類なしねえ。美味しがるのを御覧になれば、あなただって思わずもっとたべさせたいとお思いになるのも無理がない次第でしょう。この節はなかなか手に入りませんでした。だからもし見つけたら私は一つや二つ夢中と思うわ。味なんか分らないでしょう。半ダースもたべてたべて、ああやっとおいしさがしみとおったわというのでは恐慌かしら。恐慌的ということのなかにも愛嬌のあることだのうれしいことだの恐縮なことだのがあったりするわけなのですから、ユリのボンボン好きぐらい、ねえ。理の当然ではないでしょうか。それはみんなユリが丈夫で、いい味覚と特別に高い趣味とをもっているということにほかならないのですものね。
ボンボン貪慾についてあなたはすこし辛棒づよくきいて下さらなくてはならないわけもありそうです。だって、知っていらっしゃること? あなたよ、初めてあの蜜入りを私におたべさせになったのは。人間の味うものの範囲も考えてみればひろいと感服いたします。
私は今自分のまわりに浮んで来るいろいろの情景の中にいて、何かおとなしい小さい声で物を云っていたいのに、ピアノは何てせわしくうるさく鳴っていることでしょう。