Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
店はひろい板じきで、わきから上ると、六畳で、つき当りが台所。二階のあるうちです、新しいの。そして、その六畳には洋服ダンスだの、大きい鏡だのがあって、その鏡の前には花だのフクちゃん人形だのがあって、山崎のおじさんはズボンにシャツという姿でした。お兄さんもかえっていてね、店の外のところにカスリの若い男が少年と立ち話をしていた、その人だったの。写真帖を見せてくれたり、戦の話が出たり、獄中記を著した斎藤瀏というひとは歌人としてもそのほかの意味でもセンチメンタルすぎてがっかりしたという感想談があったりして、のんびり御飯たべました。山崎のおじさまは、とりが好物でいらしたのですってね、知らなかったのに偶然よかったわ。それに、こまかく柔かにしたのがあったりして。
ビールをのもうとおっしゃるの。私は本当に頂けないからと云ってもすこしとおっしゃってあけて、ついで、こっそり立って妙なビンをもち出して、それを自分のコップに入れなさるのよ。大笑いしてしまった。それは、タンシャリベツなのですもの、あの甘い。マアこれは妙案だと大笑いでね、しかもおじさまはいくらか気のぬけたビールがおすきなのですって、愉快でしょう? でも、口が大分まわりにくく、おっしゃることをききとりにくいわ。