Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

高村さんのその表現は、それだけとしては適確ね。人間の精神の等身大の考えかたです。光太郎さんの現代の魅力はそこに在り、同時に、その魅力の故に、岸田さんなんかに引っぱり出されて、いくらか理性のくらい詩を瑞雲たなびく式に書いたりするところが、あぶないあぶないよ。こういう人の立派さに埒があって、そこからこぼれると妙な分裂がおこります。こういう人たちは総てそれをもっていますね、そして、そのことは決してその人たちの煩悶の種とはなっていないのよ。

光太郎さんという人はここのすこし先に住んでいて、お父さん光雲のうちはすぐ庭のむこうです。今そっちは弟の豊周さんという鋳金家がすんでいるの。光太郎さんはアトリエ式の家に一人住んでいます。

智恵子というおくさんは狂人となって亡くなりましたが、美しい人でした。大変やわらかい美しさ。そしてね、いつも光太郎さんのことを思って何か云っているのに、光太郎さんが見舞にゆくと、その顔が、自分の思っている光太郎さんだということは分らなくて、おとなしくお辞儀だけしてニコニコしているのですって。ひどく面白い切紙細工をのこして死にました。見舞にゆくと、あとやり切れなくて熱海へ行って、一晩お湯に入って来るのだそうでした。