Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

男が女を愛すという、その偶然や自然力やそのものの支配の底に人間として情愛をもっている男、そういう男を作者は描くと、そこにどうしても響いて来る声があって、そのまざまざとした声音があって、ああいう口調が出るのです、面白いでしょう? ひろくひろくよむ人の心の奥までその響がつたえられてゆく。面白いでしょう? そしてそこに、その人々の人生にとってもましなものとしてたくわえられてゆくのよ。正二もやや順助風な男です。そして、やっぱり或る口調をもっているのよ。「海流」ではそういう口調のデリケートなところがまだ描かれていません。重吉のそういうところ迄まだ宏子がとらえていないから。宏子のとらえたものとして描かるべきものでしたから。そうでしょう? 作品の必然として。

ユリのいささか千鳥足の件。そうでしょうねえ。さぞそう見えるでしょうねえ。もちろん、ここに云われていることを否定する意味ではなくこんなことも思うの。よっぱらいは真直歩いていると思っているのよ、常に。そして、千鳥足なのよ。急な坂をのぼるとき、ジグザグのぼります、でもそれは千鳥足ではない。しかし、ジグザグ登りのとき登っているものの脚力が弱って来ると、本人はジグザグのぼりをしているわけなのだが、千鳥足ともなるのね。