Japanische Klassiker mit Furigana
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わたしのこうりしょうどう
私の小売商道
相馬 愛蔵
Lesen Sie 私の小売商道 (わたしのこうりしょうどう) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.396 Zeichen · 312 Bildschirme
俗に器用貧乏というて貧乏がつきものなのも、この才人は才に任せて、あれこれ移り、一つに集中することが出来ぬからであります。たとえ天性鈍で、はかばかしい出世は望まれなくても、一事に従うて逆わず、その仕事に一生涯を打込むならば、独自の境地に自然と達するものである。とにかく途中であせって商売がえをするほど愚にしてかつこれくらい大なる不経済はありません。
朋輩より一歩先んずること
一歩を先んずるというところに諸君の疑問がありはしないか。何も一歩と限らず五歩も十歩も、先んずればよさそうに思われるであろうが、実にこの一歩という点がきわめて大切なのである。人の能力は人の身長の如きもので、奇形的な力士等は別として、彼は驚くほど背が高いと言ったところで僅かに五六寸の違いに過ぎない。まず一割くらいが関の山で、如何に奮発しても朋輩から一歩も二十歩も先んじられるものではありません。もし強いて先んじようとすれば、後日に至ってかえって遅れる。私が青年時代のこと、富士山に登るのに健脚の自信があって、白衣の従者を追い抜き頂の方に素晴しい勢いで登って行った。ところが八合目になると急に疲れて休まねばいられなくなった。