Japanische Klassiker mit Furigana
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わたしのこうりしょうどう
私の小売商道
相馬 愛蔵
Lesen Sie 私の小売商道 (わたしのこうりしょうどう) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.396 Zeichen · 312 Bildschirme
商人の自尊心と商業の快味
のである。しかしながら福相につくろうとしても人工で出来るものでなくまた幸い出来たところが人工であるから不自然である。つまり客に対して商売以外に親切正直であるよう、この心掛けあってこそ自然口から愛嬌も出て顔容も福々しくなるのである。
商人の自尊心と商業の快味
店頭からオーイ姐さんパンを二貫だけおくんなと怒鳴り込む車屋さんの意気もとくと呑み、やたらにお前よばわりをし給う八字髯様の横柄さ加減も見馴れ、お客様というものはすべてこうしたものと覚え、かえってものやさしくいたわるる時は有難すぎて勿体なく、きまり悪しきこともあるが、時には勘忍袋の緒も切れるかと思うこともある。
我が店員の一人、ある家に御注文伺いした時、毎度有難うという。商人が客に対して捧呈すべき御挨拶を言上せしところが、当家の御主人わざわざ台所へお顔を出され、貴様から一度もものを買った覚えがない、毎度有難うとは何事ぞと戸も荒らかにピシャリし切って奥へおはいりになったとか、これ店員の憤慨談であった。いずれ常識を欠いている当世の学者でもあったろう。
またある令夫人は御自分の御機嫌のわるい時、あるいは家内に混雑なことでもある時、電話で注文があるとその時電話係に当った店員こそ迷惑である。