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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

「どれほどのお力になれようとも思われませぬが、まずはお心やすらかに」

と、宗像氏重が、自身で尊氏を内へ請じた。そして、邸内を開放しての歓待だったが、尊氏は、

「いや、そうしてはおられぬ身、しばし御門前を床几の場に借用したい。そして馬に水飼い、兵にも腰兵糧の用意をさせなどしたら、すぐにもここは立ち申す」

と、門前に床几をおかせ、身を休めるにとどめていた。

このあいだに、宗像大宮司のはなしから、初めて、尊氏は知ったのだった。――すでに太宰府はきのうのうちに陥ちており、少弐妙恵入道以下、あえなく、内山の城で自害し終ッていたということを――である。

「さもこそ……」

と、尊氏はうなずいた。

落胆もしたが、同時に、

「あわれや、頼尚の心根」

とも思わずにいられない。――それを自分に秘していた彼の心はよく分っていたので、すぐ頼尚を床几の前に呼び、彼の父妙恵の死を共に悼んだ。

はじめて、頼尚は事実を告げた。そして、

「じつは、これが老父の遺書にござります。……老父妙恵が、自刃の直前に、井筒丸と申す童子武者に持たせよこしました物……」

と、袖のうちから、血に染んだ一書を取出して尊氏にみせた。