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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

「……それにしても、なおまだ正成ごとき者よりは、ましか」

彼が、そんな雑念に、ふと、竹窓へ目をそらしていたとき、一阿弥もまた、老いの腰をのばしていた。そして正成のその横顔を、土間のむしろから、じっといつまでも見上げていた。なにか物言いたげな、しかし言い難そうな口もとだった。

自分の横顔になにを仮面師の赤鶴は見ているのか。

正成は見られていることに気づいていた。赤鶴の目はその手に持っている仮面を彫る鑿その物のようだったのである。が、正成は元々彼の素朴を愛していたからべつに咎めるふうでなく、

「……赤鶴。なんでおまえはそのように、さっきからわしの顔を見つめているのか」

と、ただ訊ねた。

すると、赤鶴一阿弥は、ひどくハッとしたらしい。領主へたいして意識なくついしていた自分の不作法から我に醒めて、あわててその眸をやりばなくしながら、

「いえ、べつに」

と、言い吃ッて。

「おゆるしなされませ。わざと、お見上げしていたわけではございませぬ。ついその、仮面師のわるい目癖というものでございましてな」

「目癖。……ほう、仮面師の目癖とはどういうことか」

「仮面打ち根性と申しましょうか。