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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

が、なお義助が見えないので、

「いかにせし」

と、義貞は気が気でない。けれどその義助もやがて見え、わが子、義治を連れていた。

この式部大輔義治は、まだ十四の年少武者だった。父義助は、この子を乱軍中から救い出すためにずいぶん苦労をしたらしい。父子のすがたにその難戦苦戦を通って来た状がそのまま出ていた。しかし脇屋義助は、ここへ来るとすぐ兄へ忠告した。

「馬もうごかず、お疲れでもありましょうが、ここで夜は過ごせませぬ。どうでも夜のうちに富士川を越え渡らねば危険です」

「大敗だなあ」

と、義貞は浩嘆して。

「きのうまでのあの大勝が、こんな一敗地に終ろうとは」

「無念です。まったく尊氏めにしてやられました。――大友、塩冶、佐々木などの寝返りさえなくば」

「それはやはり尊氏の計だったのか」

「――としか考えられません。思うに、這奴が蟄居の入寺などと事々しく世にふれていたのからして、こちらに油断を噛ませる策であったのでしょう。……そして道誉という化け物を巧みにつかい、その道誉をして、官軍中の諸将へ密々後日の恩賞を約束させ、今暁、一ときの返り忠に出たものと思われまする」

「むむ。